- アメリカで事業を拡大したいが上手くいかない
- アメリカ人の給料が高くて本社から採用OKが出ない
- アメリカで事業を拡大したいが人脈がない
- アメリカの給料レンジが高くて本社が採用に難色を示す
この様な悩みを抱えている海外駐在員が多くいると思い、私が過去に何度も悩んだ経験と解決策を記事にしました。
海外駐在員をやっていると事業を拡大する為に優秀な人材を雇いたい、でも本社がOKを出してくれないといったことに直面します。
この記事ではアメリカ人を雇うことになった経緯と、アメリカ人の高い給料に難色を示す本社を説得した方法を解説します。
本社と海外赴任先の間に挟まっていて悩んでいる方は、是非最後までお付き合いください。
アメリカの仕事は高い給料払ってでもアメリカ人に任せよう
海外赴任したくて希望が通った人、希望していた訳ではないのに海外駐在員になってしまった人、事情は人それぞれでしょう。
海外駐在員となった背景は色々あるとは言え、せっかく海外勤務するんだから誰もが一発当てて結果を残したいと思うものです。
私も海外赴任したての頃は、何としてでも現地大手企業と取引を始めるんだという思いで走り回っていました。
しかし自分の意思とは裏腹に、これがなかなか難しくて上手くいかず、空回りしてばかりでした。
アメリカの仕事はアメリカ人に任せたほうが良いのです。
餅は餅屋ということわざがあるように、
海外駐在員に出来ることは限られている
日本から海外の現地法人へ送り込まれる海外駐在員、いくらやる気マンマンでも日本人駐在員に出来ることは限られています。
海外駐在員は何でも屋
僕の勤め先の場合、海外駐在員は何でも屋です。
海外駐在員は現地法人のマネジメント、営業から人事まで何でもかんでも自分でこなす必要があります。
海外駐在員が何でも屋として働く様子について解説した記事もありますので、興味のある方はコチラからどうぞ。
- 海外現地法人のマネジメント
- 販売戦略立案と営業活動
- 現地人材の採用等人事労務業務
- 健康保険や企業保険等の総務業務
- 社内のサーバーやIT足回りの整備
それなり整備された組織であれば、マネジメントに徹することができるはずですが、小さな組織の場合そうはいきません。
半プレイヤーとして片足を突っ込むことになります。
従業員の数が少ないので、全業務に
アメリカではアメリカ人が最強
🌎私が駐在していたアメリカ、当たり前ですがこの国では日本人である僕が外国人です。
この国で日本人の僕がどうやっても達成できないことでも、アメリカ人ではあれば簡単にできてしまうといったことが多々あります。
例えば未開拓の米大手企業と取引を始めたいと考え、私がメールを出しまくったり電話をかけまくっても相手にされません。
- Shineが米大手企業に電話をかけまくってもガチャ切り
- Shineが米大手企業にメールを出しまくってもスルー
- Shineが米大手企業に飛び込み営業してもスルー
ところがアメリカ人が同じことをやると、とんとん拍子に話が進んだりします。
なぜなら私は日本から送り込まれた海外駐在員、お客さんはアメリカ人で私には現地の人脈が全くないからです。
ドライなイメージがあるアメリカですが、私が身を置く業界は泥臭い部分があって、人脈の有無が仕事の成果に大きく影響します。
アメリカ人を雇う費用対効果を上層部に説明
前のパートではアメリカの事業を拡大する為には、アメリカ人を雇う必要があると解説しました。
いざアメリカ人の採用活動をはじめよう・・・と意気込むわけですが、ここで課題となるのがアメリカ人の高い給料です。
アメリカ人の給料は総じて高い
格差社会のアメリカにおける給料レンジは、下限値と上限値の差がメッチャ大きいです。
優秀な人材の給料は総じて高く、給料をケチると良い人を採用できないです。
出典:Salary.com
上の画像はSalary.comから引っ張ってきたマーケティングマネージャーの給料レンジを示したチャートです。
全米の中でも物価が高いロサンゼルスエリアということもあり平均年収は高額となります。
- アメリカ人マーケティングマネジャー
- ロサンゼルスエリア
- 1ドル=145円換算で平均年収2,000万円以上
この高い給料というやつが在米日系企業の前に立ちはだかります。
なぜなら在米日系企業の多くはアメリカで人を雇うにしても、イチイチ日本の本社にお伺いを立てる必要があるからです。
私が勤める会社も正にこのパターンで、人の採用活動を進める前に本社の承認を得なければなりません。
そして大抵の場合、アメリカ人を採用するのに必要な給料レンジを日本サイドに伝えると難色を示されます。
なぜなら日本の本社にいる人達にとって日本の給料レンジが常識、アメリカの給料レンジを聞いた瞬間、感覚的に『高っ!』となってしまうのです。
アメリカ人を雇った場合の費用対効果を提示
なぜ高い給料を払ってでもアメリカ人を雇うのか理論武装する必要があります。
日本の本社がYesと言わない限り採用活動が前に進まないのであれば、- アメリカは日本よりも物価が高い
- アメリカの給料レンジは日本よりも高い
- 日本人である海外駐在員が販路を拡大するのは難しい
- アメリカ人を雇えば投資以上のリターンが期待できる
アメリカの物価や家賃を理解してもらう
まずアメリカの給料事情を日本の上層部に理解してもらうことからスタートです。
💰給料レンジは現地の物価や家賃が関係するので、アメリカが高すぎる、日本が安すぎるという単純な話ではありません。
アメリカにおける物価や家賃が分かるウェブサイト等から情報収集して、日本側にアメリカと日本の物価差を提示しましょう。
アメリカ人の給料レンジを理解してもらう
アメリカの物価や家賃が掴めたら、次はアメリカ人の給与レンジ情報を収集します。
- Salary.com
- パソナ米国給与サーベイ
- 日経アメリカ現地スタッフの給与と待遇に関する調査
上記の様なアメリカの平均給与が分かるソースから情報を入手し、日本の上層部へ提示してアメリカの給与レンジを理解してもらいます。
❶は英語のウェブサイト、❷と❸はアメリカにおける待遇調査に協力(情報提供)すれば無料で資料を提供してもらえます。
支払う給料(投資)に対する売上期待値(リターン)を見える化
物価や家賃、募集するポジションの人を採用するのに必要な給料の情報が掴めたら、今度は情報を整理し見える化します。
私は前述の情報に加えて人脈を持ったアメリカ人を採用することによる効果を下の様なスライドで示すようにしています。
なぜなら役員の人達はクッソ忙しいので、口頭や長文メールで事細かに説明しても響かないことが多いからです。
なのでアメリカ人採用にかかる投資金額、期待できるリターン、ビジネスが軌道に乗るまでの時間軸をシンプルに示すようにしています。
実際にスマホでパッとみただけで費用対効果が分かるスライドを提示するようになってから、提案が通りやすくなりました。
人事系サービスを提供する在米日系企業
世の中便利なものでアメリカには人事系サービスを提供する日系企業が複数存在します。
その中でも僕がおススメする在米日系企業2社を紹介します。
あっ、これらの企業さんからはお金もらっていないし、案件ではないですよw。
米国パソナ
大手人材紹介企業パソナさんのアメリカ現地法人は、人材紹介だけでなくバックオフィス業務の外注化にも対応しています。
また毎年米国における給料や待遇のレンジが分かる、給与サーベイを発行しており調査に協力すれば無料でサーベイを提供してくれます。
給与サーベイ完全版は有料です。
【米国パソナが提供するサービス】
- 人材紹介
- 人事コンサルティング
- 経理・IT業務アウトソーシング
- 米国における給与・待遇サーベイの発行
特に同社が発行する給与・待遇サーベイは、スーパー有益な情報です。
HR Linqs, Inc.
HR Linqsさんはショウさん@HrLinqsが経営する人事コンサルファームです。
在米日系企業に対してアメリカにおける人事のコンサルティングや人事に必要な書類作成のサービスを提供しています。
- Employee Handbook(就業規則)作成/更新
- ジョブディスクリプションの作成/更新
- 雇用関連書類の作成/更新
- 人事・労務関連コンサルティング
アメリカで人を雇う際、分からない事があったり、人事に必要な書類作成が必要な場合は是非HR Linqsさんに相談してみてください。
高い給料払ってでもアメリカ人に仕事を任せよう
アタリハズレはありますが、人脈を持った現地社員に高い給料を払ってでも雇う効果は大きいです。
事業を拡大したいのに、自力では上手くいかない、又人を雇うにも本社ブロックで採用が進められないという方は、この記事で解説した内容を試してみて下さい。
- アメリカの仕事はアメリカ人に任せよう
- 海外駐在員にできることは限られている
- 海外駐在員は何でも屋
- アメリカではアメリカ人が最強
- アメリカ人を雇う費用対効果を上層部に説明
- アメリカ人の給料は総じて高い
- アメリカ人を雇った場合費用対効果を提示
- アメリカ人の給料レンジを理解してもらう
- アメリカ人に支払う給与と売上期待値を見える化
- 高い給料に対するリターンは大きい
海外駐在員は全て自分で何とかしようと多くの仕事を抱え込んでしまいがちです。
仕事を抱え込んで自分自身がパンクしてしまうと、事業拡大どころではなくなります。
現地の事情に明るく業界に人脈を持っている人材に、適正な報酬を支払ってガッツリ働いてもらった方が結果が出やすいでしょう。
費用対効果抜群ですよ。
支払う給料は高いかもしれませんが、支払う給料の何十倍、何百倍の売上が確保できれば私はとある業界の大手企業と取引を始めたいと思い、あの手この手を使って攻略を試みましたが成果が出ませんでした。
高いお金を払ってターゲット顧客に人脈がある人を雇ったら、見事に攻略することができました。
早い段階で方針転換していれば、もっと早く結果を出せていたのではないかと少し後悔しています。
この記事が少しでも読者さんのお役に立ったらメッチャ嬉しいです。