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在米日系企業の就業規則

EHB

Shineです。どの会社にも就業規則はあると思いますが、アメリカで使われている就業規則(Employee Handbook)見たことありますか?

アメリカは訴訟社会なので、会社に関する決め事をかなり細かくHandbook内に記載します。

しかし一部の在米中小日系企業は、就業規則(Employee Handbook)自体はあるものの、アップデートしていなかったり整備していなかったりします。

この記事では就業規則(Employee Handbook)を運用するにあたり気を付けるべきことを解説していきます。

Employee Handbookとは?

Employee Handbookとは日本の会社でいうところの就業規則です。日本の会社に入社すると、恐らく総部部門の人がザックリ説明してくれると思います。

しかし日本企業の場合、入社後すぐに目を通した後、再度見ることはあまり無いと思います。基本的に会社員(サラリーマン)は社内規定にそって業務を遂行しますが、日本人で就業規則を意識して働く人は殆どいないはずです。

アメリカのガッチガチ就業規則

一方アメリカの場合、Employee Handbook(就業規則)をしっかり整備し、起こりうる不測の事態に備える必要があります。主な理由が次の通りです。

  1. アメリカは訴訟大国、やって良いこと、悪いことを明文化する必要がある
  2. 概して勤勉な日本人と違い、スキを見つけてはサボる人が結構いる
  3. 会社側は就業規則を守らない不真面目な社員を解雇することができる
  4. 雇用形態によって働き方が変わるので、定義を明確にしておく必要がある
  5. 従業員は何かと不平不満をぶつけてくる傾向があるので、就業規則を細かく整備しないと収集がつかなくなる

アメリカは訴訟大国、揉めそうなことは明文化

アメリカの経営者を悩ませるのが訴訟です。例えば会社の中で揉め事が発生し、従業員が会社を相手取って訴訟を起こした場合、従業員が有利となるケースが多いです。

アメリカでは性別、人種、国籍、年齢等の差別を理由に従業員が会社を訴えるケースが非常に多いです。例えば差別を理由に企業が敗訴すると従業員に高額な賠償金を支払うことになります。

企業側は従業員に訴訟を起こされた時の金銭的ダメージを軽減する為にも、揉めそうなことは明文化する必要があります。

サボる人は、ありえないくらいサボる

少し私の主観が入りますが、日本人は給料が安い仕事でも往々にしてきちんと仕事をこなします。一方アメリカで働く人達は、目を離すとサボる人が多いです。※勿論勤勉な人もいます。

例えばサボっている従業員が居て注意する場合、ただ漠然と「サボってんじゃねー」と言っても意味がありません。就業規則を元に注意喚起し、耳を貸さない場合は警告を出す、それでもダメな場合は解雇を検討します。従業員を注意する場合例えば下記のように伝えます。

シャチョウ
シャチョウ
従業員は12:00 – 2:00PMまでの間に60分のランチ休憩、また別途4時間に1回15分間の休憩を取れると就業規則に書いてある。あなたは既に所定休憩時間を取っているから休んでないで仕事して下さい。

とまあ書いてあることはしっかり守れ、守らないのであれば職を失うとある意味非常に分かり易いシステムです。悪く言えばしっかりとしたシステムが無ければ誰も言うことを聞きません。

❸就業規則は抑止力

日本で働く人達の職場では、まあなんと言いますか真面目に働いて当たり前、真面目じゃないヤツはダメなヤツ的な空気が流れています。なので多くの日本人はとりあえず真面目に仕事をこなします。これも私の主観が入っていますが・・・。

一方アメリカの場合、個を重んじる風潮があるので、雰囲気とか空気とか関係ありません。極端なことを言うと従業員はクビになりたくないから、就業規則を守りつつ、自分の仕事をこなします。

つまり就業規則がいい加減だったり、ゆるかったりすると不真面目な従業員に対処する際の理論武装ができない為、やはり就業規則はしっかりと整備する必要があります。

❹雇用形態によって働き方が異なる

新聞なんかで「ホワイトカラーエグゼンプション」というのをよく見かけると思います。これは平たく言うと時給ではなく成果を基準に働く社員ということです。

アメリカの場合、各雇用形態が就業規則の中で明文化されています。一つずつ解説します。

EMPLOYEE CLASSIFICATIONS(従業員の分類)

Introductory Employee

アメリカでは新入社員雇用後3カ月間試用期間として 雇うケースが多いです。この間新入社員は会社が提供する健康保険や有給休暇が与えられません。3カ月を経過すると正社員となります。初めの3カ月間で使えないと判断された場合は解雇されるケースが多いです。

Regular Employee

前述の試用期間である3カ月間を過ぎると、Regular Employee(正社員)となります。正社員には健康保険、有給休暇等のベネフィットと呼ばれる福利厚生が提供されます。

Regular Employeeには、(A)Full-Time Employee(B)Part-Time Employeeの2種類があります。定義は下記の通りです。

  • (A)Full-Time Employee : 7.5時間/日労働の場合7.5時間 x 5日間 = 37.5時間/週以上労働する従業員 
  • (B)Part-Time Employee : 7.5時間/日労働の場合37.5時間/週以下働く従業員

(A)は説明不要ですね、フルタイムの正社員です。(B)ですが、日本的に言うとアルバイトといったところでしょうか。(B)も正社員という扱いですが、健康保険等の福利厚生がつきません。

Temporary Worker

派遣社員のことです。テンプと言ったりします。人が足りない時や正社員が病気、産休等で一定期間職場から離脱する時に使います。テンプには福利厚生が与えられません。

テンプのまま何年も雇用するのは良くありません。私が働く会社の場合、ある従業員をテンプのまま5年程雇用していたことがありましたが、人事に詳しい弁護士さんのアドバイスによりその従業員を正社員にしました。

Independent Contractor

契約社員のことですが、日本の契約社員とは少し異なります。会社と従業員の間で数カ月間から1年間程度の契約を結びます。契約満了が近づくと更新するか否かを協議します。更新しない場合は、以降雇用しないだけなので非常に分かり易いシステムです。

またIndependent Contractorにはベネフィット(福利厚生)がつきません。福利厚生がつかない上、ある特定の分野におけるスペシャリストと契約するケースが多いので報酬は高めです。以下Independent Contractorを使う場合の注意点です。

Independent Contractorの契約ですが、例えばある人と1年間の契約を結んだ場合、パフォーマンスが低い場合でも契約期間が満了するまでは契約を切ることができません。

 

EXEMPT & NON-EXEMPT STATUS DEFINITIONS (EXEMPTとNON-EXEMPTの定義)

働き方についてですが、アメリカでは大きく分けて2つの定義があります。

Exempt Employee

時間給ではなく固定給で雇用される従業員のことです。基本的に就業規則に記載されている時間は働くことになっています。必要に応じて規定されている時間以上、又週末も働くことがありますが、残業代や休日出勤代は支払われません。

日本で言うところの外回り営業さんや管理職の様な働き方です。極端に言えばどこで何をしていようが成果さえ出していればOKです。逆に何時間働こうと成果を出さないと解雇の対象となってしまいます。

Exempt Employeeの扱いで難しいのは、労働時間がグレーだということです。弁護士やコンサルタントによって意見がマチマチなのですが、1時間/日でも働いたら出勤と見なす必要があるという専門家もいます。この部分で会社と従業員がよく揉めたりします。自分で判断せず弁護士やコンサルタントの助言を仰ぎましょう。

 

Non-Exempt Employee

時間給で支払われる従業員のことを言います。規定時間を超えて労働する場合、又休日も労働する場合は残業代や休日出勤代が支払われます。

日本の会社で事務職をやられている方の場合、定時までは固定給、定時以降は時間当たりの残業代が支払われます。アメリカの事務職は定時も時間給なので、日本のシステムとは少し違いますね。

日本の会社員(サラリーマン)の場合、残業代がないと生活できないという人が多いので残業が当たり前です。一方アメリカ人は残業代などアテにしておらず、ほとんど人が定時ダッシュです。これはアメリカ企業の給与が相対的に高いということと、さっさと仕事終わらせてプライベートの時間を大事にするという思考の表れです。

 

❺従業員は会社に不平不満をぶつける

私は5年以上アメリカに居るのでさすがに慣れましたが、着任当初は自己主張の強いアメリカ人が苦手でした。

これは生活すると判りますが、例えば水道が壊れて修理を業者に頼む場合、時間通りに来ることは少ないし、酷いときは修理完了しなくても誤魔化して帰っていったりします。

結局のところ文句をワーワー言わないと、まともな結果が得られないという文化なので、良い意味でも悪い意味でも、言ったもん勝ちなところがあります。

さすがに会社内で言ったもん勝ちはマズいので、従業員から不平不満をブチマケられても、論理的に対処できるよう、やはりEmployee Handbookはしっかりと整備しておいたほうが良いです。

Employee Handbookはどうやって作成する?

ググるとテンプレートがたくさん出てきますが、自作はしないほうが良いです。なぜなら・・・

  • アメリカの労働法は頻繁に変更が入る
  • 就業規則に不備があったり、古いままだと訴訟の原因となる

という訳でアメリカにはこの手のコンサルティングファームが数多くありますので、プロに作成依頼するのが一番良いです。アップデートできていない場合は早急に更新を依頼しましょう。

Employee Handbookの作成対応可能な日系企業

http://hrm-partners.com/

HRMさんは有名です。人事に関わる困りごとを日本語で対応してくれます。

この記事が何かのお役に立てばうれしいです。

 

 

 

ABOUT ME
Shine
Shine
こんにちは、Shine(シャイン)です。 5流大学卒業 → フリーター → 派遣社員 → 正社員営業マンという経歴を経て、現在は米国駐在員として働く40代の会社員です。 私が会社員として生き残る為に、実践してきたノウハウを多くの方と共有したいと思いこのサイトを作りました。